市川裕子の
情熱シネマ
第二期:8㎜自主制作時代
8ミリ映画を製作すると決めた時、まず念頭に置いたのは、「参加メンバーのアクションを見せる」ということでした。というのも、私以外は全員、アクション俳優だったからです。
そして、次に考えたことは、そのメンバーの見た目からくるイメージを役柄とどう結びつけていくか?ということでした。
それから、もちろん、8ミリ映画ならではの世界観も重要でした。そして、8ミリ映画ならではの表現も。つまり、8ミリ映画でしかできない作品を作るということが、私の最大の目標でした。
「8ミリには、8ミリの世界があり、決して、35ミリの縮小版ではない」というのが、私の考えにあったのです。
そうして、突き詰めたものが、5本の8ミリ映画となったわけです。
とりわけ、彼らがどういったところから、アクションを起こすのか?ということをかなり慎重に考えました。女性が私一人だったこともあり、そのことをきっかけにするのが自然であると思って、作ったものもあります。それから、実験的なことにも挑戦したかったので、演劇的なモノローグや台詞を入れてみたりしましたし、映像もいろんな形で駆使しました。
アクションシーンは、監督にお任せでしたが、監督自身が出演しているところの撮影は、私がほとんどやりました。素早い動きを追いかけるのが大変でしたね。何といっても、フィルム代+現像代がのしかかってきましたから。自分がミスすれば、自分の首を絞めていくことになりますので。(苦笑)
シナリオ通りにいかないこともしばしばでしたが、その度に、「じゃあ、それ以上の表現を考えよう」とただただ、最高のものを作るという信念で、作り続けました。実際、シナリオ上で考えたものより、いい表現ができたと思います。
今、見ると、ちょっと恥ずかしいくらい一生懸命な姿が映っていて、でも、これが、青くっていいんだよね〜と思ったりします。
そういえば、当時、宣言してたんですよね。
「青いものを作る!」って。
実現していると思います。うふふ。