市川裕子の
情熱シネマ
アリス旅行
出演:市川裕子
スタッフ:監督・石田憲一 脚本・市川裕子
撮影当時は、かなり多く場所をロケハンをしていたのですが、その中で使わなかった所を使おう、というコンセプトで考えた作品です。8ミリフィルムで撮影したアナログ作品をデジタル編集して完成させました。
というのも、クランクアップ前にカメラが壊れてしまい、さらに8ミリフィルムを現像してくれる所がなくなってきたことで、未完成のまま、お蔵入りになっていたのです。
今回の「情熱シネマ」発足に当たり、フィルムを探し出したところ、未編集だと思っていたのですが、「粗編集」までやっていたリールが見付かったんですね。それをテレシネに起こし、デジタルで編集。更に、アフレコしたという次第。一応、当時の台本が残っていたのですが、冒頭とラストの映像がないことで、つじつまが合わないため、敢えて、新しく台本を書き直しました。
ですから、大体のストーリー展開は同じですが、台詞は全然違います。
ということで、古いフィルム作品ですが、実際は、2014年度作品ということになりますね。まさか、こんなことになるとは、当時、思ってもいなかったので、感慨深いです。
私の一人芝居で、久々に演技、アフレコをして、ドキドキでしたが、数回のリハーサルで、本番一発でOKということになりました。
緊張しましたが、当時の自分と子供の時の自分にシンクロした瞬間を味わえて感謝しています。
ロード・ムービーが撮りたくて始めた映画製作で、最終的に、自分のロード・ムービーを作ることができて感無量。
もし、当時完成していたら、と考えてみると・・・やはり、あの時、完成しなかったからこそ、今蘇ることで、心に残る作品になったかな〜と思います。
やっぱり、映画って最高っ!
アリス旅行
「監督のコメント」
この作品は、まさにMacとimovieの力なくしては復元出来なかったものですね。本当にWindowsから乗り換えてよかった、と思いました。
というのも、8ミリフィルムは音声を入れる場合、最終編集後にマグネ・ストライプという磁性帯を付けてもらって、それに録音するという面倒くさいやり方をするしかないメディアだったのです。だから完成させるとしたら、デジタルしかないな〜とは思っていたものの、今まで重い腰が上がりませんでした。しかし、imovieで他の8ミリ作品をデジタル化していく作業の中で、「これは、案外簡単にいけるかも!」と思い、勢いでテレシネ&キャプチャーまで一気にこぎ着けました。しかも、当時のカメラの不調で色味がおかしかったり、撮影速度が速くなっていたりしたところまで、デジタルで修正。更に内蔵の音源を使って安易にBGMやSEを追加したりして・・・かなり楽しんで編集しました。ただし部分的には、手作業で効果音を追加してあります。何と、お茶っ葉を入れる缶を使って。もちろん私がやりました・・・あまりにナチュラルな効果音芝居に、気がつかないかもしれませんが、それでいいんです。自己満足も自主映画の醍醐味の一つですから(笑)。