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LYRICAL FIGHTIN' STORY

 〜 FIGHT FOR YOUR LIFE 〜

 

出演:進藤浩 石田憲一 市川裕子 

スタッフ:監督・石田憲一 脚本・市川裕子 撮影協力・古門圭一郎 前島誠二郎

 

実は、8ミリ映画第一作「along the river」のシナリオを書き終えた時、もう二度と書けないと本気で思いました。なぜなら、やはり、アクションを取り入れたストーリー展開を考えることが難しかったからです。

けれど、その第一作を見た進藤浩くんが「やりたい!」と言い出しまして…私は、そういう言葉に弱いんですね。「じゃあ、やろうか!」ってことになったわけです。

そこで考えたのが、前回と違うパターンでいこうということ。

まず、出演者ですが、前回は人数が多かったため、スケジュール調整が難しかったということもあり、今回はコンパクトに三人でやる方向で考えました。

そして、前回が長編だったから、短編にしようということ。

と、そこまで、決まったところ、ひょいとある考えが浮かんだのです。

「そうだ!どうせ三人なら、三通りの作品を作ろう」

・・・というわけで、三人の出演者による三話オムニバスにすることに決めたのでした。

三人がそれぞれ、違う役どころになる(それぞれが一話ごとに主役になる)、三話とも違うアクションにする、もちろん、ストーリーも全然違うものにする。

そうして、できたのが、「リリカル・ファイティング・ストーリー」です。タイトルは、「トライアングルコレクション」とか変えたりしましたが、やっぱり、リリカル・ファイティングかな〜〜

オールロケあり、室内撮影あり、文学的ナレーションありで、変化に富んでいると思います。

ちなみに、「隠れ家」の部屋は、私の実家です。親のいない隙に、すごいことやってますよね?

もちろん、許可は取っていますが、あんな風な撮影をしていたとは、今も知りません。(笑)もちろん、何も壊してませんよー

                                  

                                 監督のコメントは一番下にあります↓

 

フライヤー・

コレクション

BOY FRIEND

隠れ家

夏の終わり

making (オーディオコメンタリー付き)

Anchor 2

「監督」のコメント

 

この作品は、前回がかなり大変だったので、軽くやろうかな〜なんて考えていたのですが、自主映画である以上、そんな甘い考えが通用するはずありません。というわけで、登場人物の軽さとは裏腹に、撮影は楽しくもハードでした。

では、アクションについて書いておきましょう。

この時は、三つの作品に合わせて、アクションも三通りの異なった表現を用意しました。まず脚本の段階で、アクションそのものが表すもの自体が、単なる闘いではなかったというのがポイントでした。つまり相手を倒すとか、傷付けたり、殺傷したりすることが目的なのではなく、登場人物たちの感情の高まりをアクションで表現することが密かなるコンセプトだったのです。

だからそのことを念頭に置いて、あらゆる表現を組み立てました。

「BOY FRIEND」では、ワンカットで長めのアクションを見せることが、アクションのコンセプトになっています。バリエーションを付けるために、木の上からの俯瞰ショットが必要だったので、このシーンだけは古門君に撮影してもらいました。

それから実は、横位置の移動しながらのアクションで、私に投げられた進藤君が足の指を捻挫してしまい、そのシーンがワンテイクしか撮れませんでした。それだけでなく、フィニッシュも変更を余儀なくされてしまいました。というのもフィニッシュは当初、二人でキリモミをする予定だったのです。それで進藤君には得意の側宙をやってもらい、その足で蹴られた私だけがキリモミをすることになりました。結果的にはつながりも含め、成功しましたね。二人の相打ちダブル・リアクションという点でも、変化がついてよかったと思います。

「隠れ家」は、市川家のご協力で実現したので、最大限配慮したのは、家具などを壊さないようにすることでした(笑)。この作品では、逆にカットを細かく割って、安全に(部屋を破壊せず)激しさを表現することに挑戦しました。それから追いつめられた人間が醸し出す滑稽さ、バカバカしさが出せればいいなと。

「夏の終わり」は、彼女を挟んでいつも争っている二人のアクションです。最後にはその争いが、彼女を失った行き場のない喪失感のぶつけ合いになる、という高度な表現になっているんですよ。ちょっと新しかったですね。そのために選んだ手法は、リアル・ヒッティングです。アクション自体は単なるケンカなんだけど、それを実際に当てるところを中心にスローモーションで見せる。その激しさと痛みが、彼らの哀惜を表しているのです。美しくも儚いアクションは、涙なくして見ることができないでしょう!

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