市川裕子の
情熱シネマ
柳緑花紅
出演:石田憲一 市川裕子
スタッフ:監督・石田憲一 脚本・市川裕子
進化する作品を製作しようと考えた作品。
まず、シナリオを書き、それを映像化し完成させます。
次に、そのシナリオを書き直し、それを映像化し完成させる、というやり方です。
足りない部分を付け加えることもあれば、別表現を取り入れることもあれば、結末を変えることもありました。もちろん、台詞や場所も。でも、主役の二人だけは同じです。
最終的に5作品製作しました。
WORK IN PROGRESS 01〜05とありますが、
お勧めは、03と04ですね。
当時は、04で完成と思っていましたが、最近、久しぶりに観たら、03がベストな表現ではと思い直したのですよ。
厳密に言うと、03と04を合体させて編集したらいいかな、と思いましたが。
05は、おまけみたいな感じ。更なる別表現なので、当時もどうかな?と思っていましたが、私の迫真の演技?は、気に入ってます。(笑)
5作品とも、当時あった5つのビデオ映像コンテストに、それぞれ応募してみました。それぞれの〆切日に合わせて完成させていくというのも、製作のコンセプトだったので。
一次予選通過のものもありましたが、結局、04が某神奈川県のビデオコンテストで入選しましたね。大島渚監督が「キュートな作品」とかコメントしてくれたのを覚えています。
それからもう1つ。子役がどうしても必要だったので、友達の子供に出演してもらいました。快く承諾してくれた夫妻と、なかなかの演技をしてくれた勘のいい坊やに感謝しています。この作品を観せてはいませんが…ちなみに、その子の声は私がやっています。えへへ。
WORK IN PROGRESS 01
WORK IN PROGRESS 02
WORK IN PROGRESS 03
WORK IN PROGRESS 04
WORK IN PROGRESS 05
監督
この作品は、アクションなしなのですが、要所要所でアクションぽさを出すようにはしています。例えば走るシーンとか。ただそういったことよりも、この時は話の展開をよりスムースに、そしてそれらしくすることを毎回工夫していましたね。
それからご覧頂ければお分かりになるのですが、この作品では登場人物の顔を敢えて映さないようにしています。そのためにカメラワークを工夫しているのですが、それが作品に独特の雰囲気を与えているのは成功だと思いますね。これによって、同じ映像でも台詞を変えることが自在にできたので、一石二鳥でした。
それからビデオ作品ということで、一見8ミリフィルムより製作が簡単に思われるでしょうが、実はそんなことありません。むしろ編集などは8ミリよりも大変だったくらいです。というのもアナログ・ビデオの編集は、ビデオデッキを二台つなげ(当時はそれだけでも大変)、ボタン操作の反応速度の悪さも計算に入れながらのダビング編集なので、画像は劣化するわ、前の映像を食ってしまったら、そこからもう一度やり直さなくてはならないわで、大変なのです。当然タイトな編集は困難を極め、それをやる場合には相当の熟練と覚悟が必要なのでした。それを考えると、編集はよくやっていると思います。
デジタル編集の現代とは、比較にならないほどビデオ制作が困難な時代でした。