市川裕子の
情熱シネマ
THE EDGE OF LIMIT
出演:進藤浩 石田憲一 市川裕子 三浦幸樹
スタッフ:監督・石田憲一 脚本・市川裕子 スタント、声の吹き替え・古門圭一郎
これは、ストーリーが真っ先に落ちてきた作品です。
作品を見ていただけると分かるのですが、あの三人の言葉がいっぺんに私の脳に直撃したのです。私は、聞こえた通りにノートに書き起こし、そして、8ミリ映画を製作することにしました。
シナリオの段階で、すでに、モノローグが絡み合って進んでいくストーリーになっていました。
「走り」の映像を多く取り入れ、そこに、モノローグを被せるとか、モノローグとモノローグを被せるとか、モノローグと台詞を被せるとか、会話はしていなくても、モノローグで語り合っているみたいなシーンとか。
演劇的なものを映像にするという実験を意識的に目論みました。
そして、「生と死」に対する考え方を「アクション」で表現するということにも挑戦しました。
それぞれの考え方を「アクション」によってぶつけ合い、お互いが理解し合うという表現です。
8ミリ映画製作の当初から、そういったことは考えていたのですが、ここまで製作していると、ずいぶん、いろいろなことをやったな、と思いますね。
フライヤー・
コレクション
THE EDGE OF LIMIT
making (オーディオコメンタリー付き)
<監督のコメント>
この作品のアクションでは、吹き替えを敢えて使ってみよう!というコンセプトが、密かにあったのです。なぜそのようなことになったのか?その経緯は全く忘れてしまいましたが、そこで活躍してくれたのが、古門君です。彼が進藤君の吹き替えをやってくれました。具体的には、森の中のアクション・シーンで進藤君が私に投げられて木にぶつかって落ちるシーン。それから、ジャンプして私を飛び越えるシーンの空中カットです。そうそう、それからアフレコの時に、三浦君が急遽参加できないことになり、スタジオをブッキングしてしまった都合もあって、三浦君の役のアフレコを古門君にお願いしました。ということで、スタント+声優という形で大活躍してくれたわけです。
肝心のアクションシーンは、私と進藤君の争いです。これが結構完成度が高いアクションになっていますね。さすがに私もかなり撮り慣れてきていますから、カメラワークも含めて洗練されています。とにかく息のあった立ち回りは、技の切れといい、やられっぷりといい、さすが進藤君です。お互いのいいところを引き出し合えたのではないでしょうか。(未使用アクションシーンは、メイキング動画にたくさん映っています。)
最後は、市川さんのジャンピング・ダブル・ラリアットというのも、意表をついていて面白いですね。彼女も頑張ってくれました。激しい立ち回りに、意外な結末という組み合わせが、今見ても新鮮です。そう、アクションで決着をつけないというのが、この作品のテーマでもあったわけです。そう言うと、単なるケンカのような動きになりがちなのですが、そこを本格的アクションをしっかり見せる。しかもリアルさを失わないように配慮しつつ、派手な技も織り交ぜて・・・という高いハードルにチャレンジして、それなりの成果を上げていることには満足していますね。まあ、新しいアクション映画の可能性を切り開く事には成功していると思います。